アブストラクト(39巻7号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 低左室機能例の冠血行再建手術
Subtitle :
Authors : 弘岡泰正*, 田原稔, 笹栗志朗, 菊地憲男, 佐藤健志, 渡辺隆, 川崎志保理, 高沢賢次, 渡部幹夫, 細田泰之
Authors(kana) :
Organization : 順天堂大学医学部胸部外科, *新宿病院循環器科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 39
Number : 7
Page : 1024-1031
Year/Month : 1991 / 7
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : ACバイパス術の成績に関与すると考えられている低左室機能症例の手術適応と手術成績の検討を行った. 順天堂大学胸部外科において, 1984年1月から1989年12月までに行われた, ACバイパス術798例の中で待機手術が行われ, 術前左室造影より低左室駆出率(EF<30%)と診断された9症例を低左室機能症例として選び, A群とし, 中等度左心機能障害例(EF 30~40%)28例をB群, EF 50%以上の正常左室機能例34例をC群として各群の比較検討を行った. 平均EFはA群21.56±3.72%(15~29%)でB群34.28±3.17, C群64.19±12.02であった. 左室Contraction ScoreはA群15.29±1.75, B群13.86±2.66, C群7.79±3.22であり, AC群間, BC群間でp<0.01の統計学的有意差を認めた. 心係数, LVEDP, 病変枝数, グラフト本数, 大動脈遮断時間, 人工心肺時間は, 各群ともほぼ同様であった. 術後カテコーラミンの投与は, A群77.8%, B群46.4%, C群61.8%であった. A群の手術成績は良好であり, 手術, 入院死亡例はなく, 遠隔期に2例の死亡を認めたが, 心臓由来のものではなかった. 低左室機能症例の手術はEF 15%までの症例では可能であり, 手術成績も満足できるものであった.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : CABG, 低左室機能, 左室駆出率, 手術成績, 手術危険因子
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