アブストラクト(39巻7号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 肋骨の骨軟骨腫が肺を損傷して発生した気胸の1治験例
Subtitle : 症例
Authors : 鈴木隆, 堀豪一, 吉松隆*, 安藤幸史*
Authors(kana) :
Organization : 昭和大学藤が丘病院胸部心臓血管外科, *静岡赤十字病院外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 39
Number : 7
Page : 1077-1080
Year/Month : 1991 / 7
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 21歳, 男性. 肋骨に発生した骨軟骨腫が肺を損傷したために生じた気胸を経験した. 本症例は13歳と15歳の時に, 下肢の骨の骨軟骨腫のために手術を受けた既往があり, 母親と母方のいとこにも同疾患があった. 画像診断上, 右気胸と共に右第7肋骨と連続する胸腔内の腫瘤が確認され, 既往症と考え合わせて肋骨発生の骨軟骨腫及び同腫瘍が肺を損傷したための気胸と診断した. 手術は, 肺の損傷部の縫合閉鎖と共に, 右第7肋骨に発生した腫瘍を切除した. 術中, 第6肋骨の小突起として触れた腫瘍性病変も切除した. 病理学的には第6, 7肋骨の病変は骨軟骨腫であった. 術後経過は順調で15日目に退院した. 文献的に調べえた範囲では, 肋骨の骨軟骨腫が肺を損傷したために生じた気胸の報告はみられず, まれな症例と思われたので報告した. 骨軟骨腫は, 主に長管骨に発生する良性の骨腫瘍で肋骨に発生する頻度は低く, 肋骨の骨軟骨腫が周囲臓器を損傷した症例の報告は更に少ない.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 気胸, 肋骨腫瘍, 骨軟骨腫, 遺伝性多発性外骨腫
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