アブストラクト(39巻7号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 非開放性外傷による大動脈弁閉鎖不全の1手術治験例-冠動脈右室瘻合併例-
Subtitle : 症例
Authors : 戸田省吾, 中村昭光, 岩本恒典, 中路進
Authors(kana) :
Organization : 京都第一赤十字病院心臓血管外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 39
Number : 7
Page : 1087-1092
Year/Month : 1991 / 7
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 極めてまれな, 非開放性外傷による大動脈弁閉鎖不全及び冠動脈右室瘻合併例の手術例を経験した. 17歳, 男子. 交通事故で全身を打撲し近医に搬入され心雑音を指摘された. 心エコー・大動脈造影で3度の大動脈弁逆流を認めた. 右冠動脈造影で鋭辺縁枝末梢より右室に向かう血流を認めたが, 左右短絡は計算上なかった. それまで糖尿病で頻回に通院していたにもかかわらず, 心雑音・心疾患を指摘されたことはなく, 外傷性の大動脈弁閉鎖不全及び冠動脈右室瘻と診断し, 体外循環・心停止下に手術を施行した. 大動脈弁は右冠尖に裂隙, 左冠尖に裂孔を認め, Bjork-Shiley弁21Aで弁置換を施行した. 冠動脈瘻は, 心表面の冠動脈に異常所見なく, 短絡も計算上ないことより放置した. 非開放性外傷による大動脈弁閉鎖不全, 冠動脈瘻はともに非常にまれな疾患である. この両疾患を合併した報告はわれわれの調べ得た範囲ではなかった.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 非開放性外傷, 胸部外傷, 大動脈弁閉鎖不全, 冠動脈瘻
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