アブストラクト(39巻7号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 骨膜外充填に用いられた合成高分子材料ポリビニルフォルマールの生体内長期埋入による変化
Subtitle : 症例
Authors : 中村達雄, 清水慶彦, 渡部智, 平井隆*, 福瀬達郎*, 人見滋樹*
Authors(kana) :
Organization : 京都大学生体医療工学研究センター生理系人工臓器, *京都大学胸部疾患研究所胸部外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 39
Number : 7
Page : 1106-1111
Year/Month : 1991 / 7
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 肺結核に対して合成樹脂をもってする骨膜外充填術をうけた52歳女性が, 術後35年して同側背部に腫瘤を生じたため, 合成樹脂摘出術を行った. 腫瘤は血腫であり充填したポリビニルフォルマールスポンジにより肋骨の融解, 肋間動脈の損傷が起こり生じたものと診断された. 生体内に長期埋入された合成樹脂の分析と, 物性の変化, 並びにこれに対する生体の反応も検討する機会があったので報告する. 生体内に35年の長期にわたり埋入された高分子材料を取り出し材料を同定し, その変化と生体の反応を検討する機会があったので報告する. 「症例」症例は52歳の女性. 18歳時に他院で肺結核に対して0.5%リドカイン120ccを用いた局所麻酔にて第II~VII肋骨の骨膜外剥離を伴う左骨膜外スポンジ充填術を受けた(1956年10月15日). 術後は合併症もなく一児の母となり結核の再発もなかった. 1989年10月頃より始まった背部重感と同部の隆起を主訴として来院.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 骨膜外充填術, バイオマテリアル, 異物反応, 肺結核, 虚脱療法
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