Title : |
核医学持続心機能モニターを用いた運動負荷による冠血行再建術の評価 |
Subtitle : |
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Authors : |
川筋道雄, 手取屋岳夫, 榊原直樹, 沢重治, 竹村博文, 岩喬, 滝淳一* |
Authors(kana) : |
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Organization : |
金沢大学医学部第1外科, *金沢大学医学部核医学科 |
Journal : |
日本胸部外科学会雑誌 |
Volume : |
39 |
Number : |
8 |
Page : |
1160-1165 |
Year/Month : |
1991 / 8 |
Article : |
原著 |
Publisher : |
日本胸部外科学会 |
Abstract : |
携帯型核医学持続心機能モニターを用い, 冠血行再建術患者52例で術前後に, 運動負荷中及び負荷回復期の心機能変化を連続的に測定した. 本装置は1心拍毎の核医学データを記録し20秒毎に左室駆出率(LVEF)を表示する. 術前, LVEFは運動負荷により51±9%から45±11%に低下した(p<0.001). 運動負荷中のLVEFの変化は4型に分類された. 6例で運動負荷中LVEFが上昇し(A型), 10例で一旦上昇したが負荷が増すと下降し(B型), 9例では変化せず(C型), 27例では下降した(D型). A型は運動負荷に対する正常反応であり, B, C, D型は異常反応と考えられた. 術後, LVEFは運動負荷により53±10%から60±13%に上昇し(p<0.001), A型が35例, B型が9例, C型が5例, D型が3例に改善した. グラフト閉塞例や不完全血行再建例はBまたはD型を示した. 内胸動脈と静脈グラフトによる完全血行再建例のうち4例はB型を示した. この4例の内胸動脈血流は中等度負荷では十分であるが高度負荷では不足すると考えられた. 広範囲梗塞による低左心機能症例は術後C型を示した. 運動負荷からの回復に要する時間は術前168秒から術後98秒に短縮した. 持続心機能モニターは運動負荷中及び回復期の心機能変化を測定することにより冠血行再建術後の心機能異常を明らかにした. |
Practice : |
臨床医学:外科系 |
Keywords : |
持続心機能モニター, 冠血行再建術, 左室駆出率, 運動負荷, 負荷回復期 |