アブストラクト（39巻8号：日本胸部外科学会雑誌）
| Title ： | 遺伝性球状赤血球症を合併した弁膜症に対する二弁置換（僧帽弁, 大動脈弁）及び三尖弁輪縫縮術 |
|---|---|
| Subtitle ： | 症例 |
| Authors ： | 鬼塚敏男, 中村都英, 米沢勤, 桑原正知, 柴田紘一郎, 古賀保範 |
| Authors（kana） ： | |
| Organization ： | 宮崎医科大学第2外科 |
| Journal ： | 日本胸部外科学会雑誌 |
| Volume ： | 39 |
| Number ： | 8 |
| Page ： | 1184-1187 |
| Year/Month ： | 1991 / 8 |
| Article ： | 報告 |
| Publisher ： | 日本胸部外科学会 |
| Abstract ： | 先天性溶血性貧血を呈する遺伝性球状赤血球症を合併した心疾患に対する開心術は極めてまれである. 症例は51歳, 女性. 31歳時より弁膜症を指摘されていた. 35歳時, 遺伝性球状赤血球症と診断され, 摘脾を受けた. 約1年前より心不全症状が強くなり手術目的にて入院した. 網状赤血球13‰, 血清総ハプトグロビン（Hp）2mg/dl, 血清総ヘモグロビン（Hb）30mg/dl, 赤血球寿命T1/2は13日と短かった. ASr＋MSr＋TRの診断で人工心肺下にBjork-Shiley弁を用いた二弁置換（MVR＋AVR）術とTAPを行い, 術後経過は良好であった. 本症を合併した弁置換術の報告は極めてまれであり, その問題点を中心に文献的考察を加えて報告した. 体外循環を要する開心術には溶血の問題は避けられない. 特に血液疾患を合併した場合, 術中, 術後の出血, 進行する溶血性貧血, 溶血に起因する腎障害などが問題となり, 危険性も高い. |
| Practice ： | 臨床医学：外科系 |
| Keywords ： | 遺伝性球状赤血球症, 開心術, 弁置換術, 溶血性貧血 |
