アブストラクト（39巻8号：日本胸部外科学会雑誌）
| Title ： | 肺動脈再建術を伴う胸腺腺扁平上皮癌の手術治験例 |
|---|---|
| Subtitle ： | 症例 |
| Authors ： | 藤野昇三, 野島武久, 朝倉庄志, 尾上雅彦, 渡田正二, 森渥視 |
| Authors（kana） ： | |
| Organization ： | 滋賀医科大学第2外科 |
| Journal ： | 日本胸部外科学会雑誌 |
| Volume ： | 39 |
| Number ： | 8 |
| Page ： | 1188-1193 |
| Year/Month ： | 1991 / 8 |
| Article ： | 報告 |
| Publisher ： | 日本胸部外科学会 |
| Abstract ： | 人工心肺の使用によって切除し得た胸腺腺扁平上皮癌の1症例を経験した. 症例は53歳の女性で, 嗄声・咳嗽の多発を主訴として来院した. 胸部X線像で左第1弓に重なる腫瘤陰影と左横隔膜の挙上が認められ, CT・MRIで主肺動脈への浸潤が強く疑われた. 縦隔鏡では胸腺腫と診断され, 50Gyの照射を行った後に手術を施行した. 腫瘍は左腕頭静脈・横隔神経・迷走神経を巻き込み, 大動脈弓・主肺動脈などに浸潤していた. 左腕頭静脈・左肺上葉の一部を合併切除した後に, 人工心肺使用下に腫瘍の大動脈壁からの剥離及び肺動脈腫瘍浸潤部の切除・再建を行った. 術後の病理診断は, 腺扁平上皮癌であった. 術後24ヵ月の現在, 再発の徴候なく社会復帰している. 悪性腫瘍の手術に際しての人工心肺の使用は, なお若千の問題点もあるが, 人工心肺を使用することにより根治性が得られる可能性のある症例に対しては, 積極的に使用するべきと考える. |
| Practice ： | 臨床医学：外科系 |
| Keywords ： | 胸腺癌, 人工心肺, 肺動脈再建, 腫瘍細胞の血行散布 |
