アブストラクト(39巻8号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 肺腺癌術後4年半目に頸部・縦隔郭清を施行した1症例
Subtitle : 症例
Authors : 早川和志, 羽田圓城, 宮元秀昭, 正岡俊明, 中尾誠也
Authors(kana) :
Organization : 三井記念病院呼吸器センター外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 39
Number : 8
Page : 1194-1197
Year/Month : 1991 / 8
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 後側方切開下の左下葉切除及びリンパ節郭清術(R2a, P-T1N2M0)後4年半目に両側縦隔, 頸部リンパ節に転移を認めた1例を経験した. この症例に対し左頸部切開及び胸骨正中切開経路より左頸部リンパ節, 両側縦隔リンパ節郭清を施行した. しかし14病日目に退院後, 11日目に右鎖骨上窩リンパ節転移を認めたため, 右頸部郭清を追加し良好な結果を得た. 本例の転移は左肺門から左主気管支上部及びその前面を経由して左気管気管支リンパ節または分岐部リンパ節に入り, 対側縦隔を含む気管周囲を上行する経路を介して頸部にも現われたものと思われる. すなわち, 本例は左肺癌での両側縦隔郭清の必要性, 更には頸部郭清の意義について示唆に富む症例と思われる. 現在, 肺癌症例での両側縦隔郭清及び頸部リンパ節郭清の意義については評価がなされていない. われわれは, 1979年10月から羽田の肺リンパシンチグラフィによるリンパ流路の研究1)結果に基づき, 主に対側縦隔に転移を起しやすい左原発性肺癌に対して, 胸骨正中切開下に同側及び対側縦隔リンパ節を郭清する拡大根治術を行なってきた.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 肺腺癌, 頸部・縦隔りンパ節転移, 胸骨正中切開, 両側縦隔郭清, 頸部郭清
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