アブストラクト（39巻8号：日本胸部外科学会雑誌）
| Title ： | 奇静脈結合を合併したScimitar症候群の1治験例 |
|---|---|
| Subtitle ： | 症例 |
| Authors ： | 野地智, 北村信夫, 山口明満, 大滝正己, 三木太一, 田村栄稔 |
| Authors（kana） ： | |
| Organization ： | 国立大阪病院心臓血管外科 |
| Journal ： | 日本胸部外科学会雑誌 |
| Volume ： | 39 |
| Number ： | 8 |
| Page ： | 1198-1203 |
| Year/Month ： | 1991 / 8 |
| Article ： | 報告 |
| Publisher ： | 日本胸部外科学会 |
| Abstract ： | 部分肺静脈還流異常症に対する外科治療は異常肺静脈の還流部位により, 1. パッチ, 又は心房壁利用による心房中隔形成術, 2. 異常還流静脈切断, 心房への吻合術のいずれか, あるいは両者が選択されており手術成績も安定している. 著者らは労作時胸痛及び呼吸困難を呈した41歳女性の奇静脈結合を合併したScimitar症候群に対し, EPTFE TUBE（10mm）を心外導管として介在させた肺静脈―左房吻合術を施行し良好な結果が得られた1症例を経験した. 心臓カテーテル検査でASDを有せず, 45%の左右短絡及び奇静脈結合が認められた. 手術は正中切開, 体外循環下に行った. 術後はアスピリンのみによる抗凝固療法を行い, 術後の血管造影では人工血管開存を認めた. 本術式は短絡量の多い症例に対しては有効な術式と思われた. 部分肺静脈還流異常症のうち, 右肺静脈が下大静脈に還流するScimitar症候群は, 肺動脈異常や気管支分岐異常といった右肺の形成不全, 心臓右方偏位, 体循環系動脈からの右肺への異常供給などの合併奇形を有するまれな疾患である. |
| Practice ： | 臨床医学：外科系 |
| Keywords ： | Scimitar症候群, 部分肺静脈還流異常症, 肺静脈左房吻合, 心外導管, EPTFE |
