アブストラクト(39巻8号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 右肺動脈閉塞を来した急性解離性大動脈瘤の1例
Subtitle : 症例
Authors : 東茂樹, 三竹啓敏, 栄本昭剛, 川田光三*, 蜂谷貴**
Authors(kana) :
Organization : 静岡赤十字病院循環器科, *慶應義塾大学医学部外科, **浜松医科大学第2外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 39
Number : 8
Page : 1217-1221
Year/Month : 1991 / 8
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 症例は58歳, 女性. 胸痛, 背部痛を訴え来院した. 胸部CT scanにて, 上行・弓部解離性大動脈瘤と診断したが, 解離腔は既に血栓化していた. 入院後, 胸痛に加え, 血痰, 顔面浮腫, 頸静脈怒張を認めたため, 右心カテーテル検査, 肺動脈造影を施行したところ, 肺動脈圧50/15mmHgと中等度肺高血圧を呈し, 造影上, 右肺動脈は完全に閉塞していた. 肺梗塞の合併を考え, ヘパリン, ウロキナーゼ投与を行ったが改善せず, 血栓除去術を予定し, 胸骨正中切開にて開胸した. 心嚢切開後, 直ちに, 動脈血酸素飽和度が93%から98%に改善したことより, 右肺動脈閉塞は, 解離により拡大した上行大動脈の圧迫によるものと判断した. また, 術中, 右肺動脈と左房上縁との間に凝血塊を認め, これも右肺動脈閉塞の一因と思われた. 手術は, 上行大動脈人工血管置換術, 及び, 術中の肺動脈主幹損傷に対し, 肺動脈主幹再建術を施行した. 患者は術後70日目に退院した.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 急性解離性大動脈瘤, 肺動脈閉塞, 肺梗塞, 抗凝固療法, 血栓溶解療法
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