アブストラクト(39巻8号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 肺末梢腫瘤陰影を呈したCoccidioidomycosisの1手術例
Subtitle : 症例
Authors : 伊藤秀幸, 板岡俊成, 大貫恭正, 横山正義, 新田澄郎, 山本登*
Authors(kana) :
Organization : 東京女子医科大学第1外科, *山本クリニック
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 39
Number : 8
Page : 1222-1225
Year/Month : 1991 / 8
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : コクシジオイデス症は呼吸器並びに全身性の真菌感染症であるが, 肺末梢の肉芽腫形成を示した1例を経験した. 症例は55歳, 女性, 感冒様症状と左中肺野の孤立性結節性陰影にて発見された. 発症2ヵ月前に米国西南部への渡航歴がある. 喀痰検査, 肺生検等行ったが, 確定診断には至らず診査開胸を施行した. 腫瘤は中心部に乾酪壊死を伴う類上皮肉芽腫で, 壊死中央部に真菌胞子と胞子を大量に含んだ特徴的な球状体の存在が確認された. また, 摘出標本からの真菌培養でも特徴的な分節型分生子が確認され, 流行地への渡航歴, 症状等から慢性肺コクシジオイデス症と診断された. 本邦における肺コクシジオイデス症の報告は極めてまれで, 本症例は本邦文献上5例目であり, 若干の文献的考察を加えて報告した. コクシジオイデス症は, Coccidioides immitisによって引き起こされる呼吸器, 並びに全身性の真菌感染症である1).
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 肺真菌感染症, Coccidioidomycosis
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