アブストラクト(39巻8号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 本態性血小板血症を合併した左前下行技閉塞例に対する冠動脈バイパス術の1治験例
Subtitle : 症例
Authors : 家村順三, 佐藤達朗, 山田知行, 安藤史隆
Authors(kana) :
Organization : 静岡県立総合病院心臓血管外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 39
Number : 8
Page : 1237-1241
Year/Month : 1991 / 8
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 本態性血小板血症を合併した左前下行枝segment 6の完全閉塞例に対し, メルファランで血小板数を正常域まで減少させた後に, 左内胸動脈でバイパス術を施行した. 本症例は, 胸心痛に対する心臓カテーテル検査時に出血傾向に気付かれ, 精査の結果同疾患と判明した. 血小板数は100万/mm3を越え, 冠動脈のみならず, 右内頸動脈領域の血栓塞栓症も合併しており, 両者とも血小板数増多に基づく合併症の可能性が高いと考えられた. 術前術後にメルファラン及び抗血小板剤, ワーファリン療法(トロンボテストで20%台)を施行したが, 重篤な合併症なく良好な結果を得たので報告する. 本態性血小板血症例(以下ET)における心合併症は正常冠動脈での一過性の血小板凝集による心筋梗塞の発症がほとんどで1)~3), 冠動脈バイパス術(以下CABG)が施行されることはまれである. 今回われわれは, ET合併左前下行枝閉塞例に対して, メルファランで血小板数を低下させた後に左内胸動脈(以下ITA)でCABGを施行し, 良好な結果を得たので文献的考察と共に報告する.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 本態性血小板血症, 冠動脈閉塞, 冠動脈バイパス術, メルファラン, 脳梗塞
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