アブストラクト(39巻9号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 心膜を穿破し心タンポナーデを呈した縦隔奇形腫の1切除例-内外臨床報告11例の文献的考察-
Subtitle : 症例
Authors : 李民実, 李永浩, 生島宏彦, 秦石賢*, 李美於**, 桜井幹己***
Authors(kana) :
Organization : 共和病院呼吸器科, *共和病院循環器科, **京都大学胸部疾患研究所胸部外科, ***大阪市立大学医学部病理学第2教室
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 39
Number : 9
Page : 1771-1776
Year/Month : 1991 / 9
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 縦隔良性奇形腫は放置すると, 種々の合併症を来すが, 心膜を穿破したとする報告はまれである. 今回著者らは, 縦隔奇形腫が心膜を穿破し, 心タンポナーデを呈した症例を経験したので報告する. 症例は, 46歳の男性で, 突然の胸痛を訴え入院. 胸部CT, 心エコー等から縦隔奇形腫が心膜内へ穿孔したと考え, 心膜ドレナージを施行した. しかし, 心不全の状態が持続し, 第5病日に腫瘍の摘出術を行った. 手術及び病理所見から, 成熟型縦隔奇形腫が心膜を穿破し, 腫瘍嚢胞内の黄色粥状液が大量に心膜内へ流入していたことが判明した. 縦隔奇形腫の合併症として, 心タンボナーデを来した臨床報告は, 内外で10例に過ぎない. 本例を含め, 縦隔奇形腫が心タンボナーデを呈した11の臨床例をまとめ, 文献的考察を加えた. 縦隔に好発する奇形腫は時に周囲臓器に穿孔を来し, 種々の合併症を引き起こすことが知られている. しかし, 心タンポナーデを呈したという例は極めてまれで, 文献上, 生前診断し得たのは内外を含め10 1)~10)例に過ぎない.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 縦隔奇形腫, 心タンポナーデ, 奇形腫の穿孔
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