アブストラクト(39巻9号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 線毛上皮を有する食道壁内嚢腫の3例
Subtitle : 症例
Authors : 田渕寛, 木村秀, 住友正幸, 宇山正, 谷木利勝, 門田康正
Authors(kana) :
Organization : 徳島大学医学部第2外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 39
Number : 9
Page : 1793-1797
Year/Month : 1991 / 9
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 線毛上皮を有し, 軟骨組織を認めない食道壁内の嚢腫3例を経験した. 症例1は13歳男性, 嚢腫は線毛円柱上皮と一層の筋層を有していた. 症例2は37歳女性で, 嚢腫は多列線毛上皮と二層以上の発達した筋層を有し, 症例3は42歳男性で, 嚢腫は線毛円柱上皮と一層の筋層を有していた. 3例とも胸部X線写真にて異常影を発見されており, 当科受診時に症状はなかった. 食道の嚢腫が特徴的な組織構造を持たない場合, これが食道性か気管支性かの鑑別が問題となる. また, 食道も気管支も同じ原始前腸由来であるため, 中間型の存在も考えられた. 症例2は発達した二層以上の筋層を有するため食道嚢腫と診断されたが, 症例1, 3は一層の筋層しか持たず従来の診断基準では鑑別不可能であり, これらにあてはまらない食道壁内嚢腫とした. 縦隔腫瘍の中で嚢腫性疾患はまれである. われわれは食道壁と関連し, 線毛上皮を有し, 軟骨を認めない3例の嚢腫を経験したので若干の考察を加えて報告する.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 食道嚢腫, 気管支嚢腫, 食道壁内嚢腫
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