アブストラクト（39巻9号：日本胸部外科学会雑誌）
| Title ： | 長時間の脳循環遮断を可能にした超低体温, 簡単な脳逆行性灌流法による上行弓部下行大動脈置換術の1例 |
|---|---|
| Subtitle ： | 症例 |
| Authors ： | 高本眞一, 松田高明, 原田三紀夫, 河野孝司, 北條浩 |
| Authors（kana） ： | |
| Organization ： | 公立昭和病院心臓血管外科 |
| Journal ： | 日本胸部外科学会雑誌 |
| Volume ： | 39 |
| Number ： | 9 |
| Page ： | 1798-1802 |
| Year/Month ： | 1991 / 9 |
| Article ： | 報告 |
| Publisher ： | 日本胸部外科学会 |
| Abstract ： | 最近, われわれは超低体温下にて脱血静脈血の酸素飽和度が高いことに注目して, 中心静脈圧を上げるだけで簡単に脳逆行性灌流を施行できることを見出した. このことにより弓部ないし弓部分枝に遮断鉗子を掛けずに済み, また, 長時間の脳循環遮断が可能となったので, その症例を報告する. 症例は53歳女性で, DeBakey II型解離性大動脈瘤と真性弓部下行大動脈瘤であった. 胸骨正中切開, 大腿動脈送血, 右房1本脱血. 直腸温16℃, Cardioplegiaにて心停止. 下行大動脈をOcclusion Balloon Catheterにて閉塞. 頭部を低位にし, 中心静雁を10～15mmHgとして弓部を切開. 上行弓部下行大動脈を置換した. この間弓部分枝からは黒っぽい低酸素飽和度の血液が連続的に流出してきて, 逆行性の脳灌流が脳に酸素供給をしたことを確認した. 脳循環遮断81分, 心停止109分, 体外循環時間220分であった. 術後の経過は極めて順調で脳障害も起こさなかった. |
| Practice ： | 臨床医学：外科系 |
| Keywords ： | 脳逆行性灌流法 弓部大動脈置換術, 超低体温, 脳循環遮断, 弓部大動脈瘤 |
