アブストラクト(39巻9号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : メチシリン耐性ブドウ球菌(MRSA)によるPVEの1手術治験例-flange付き人工弁による僧帽弁再置換術の経験-
Subtitle : 症例
Authors : 村山博和, 高原善治, 仲田勲生, 須藤義夫, 瀬崎登志彰, 中村常太郎
Authors(kana) :
Organization : 千葉県立心肺センター鶴舞病院心臓血管外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 39
Number : 9
Page : 1803-1808
Year/Month : 1991 / 9
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 60歳, 女性. 僧帽弁狭窄症に対する弁置換術後3週に発症した, メチシリン耐性ブドウ球菌(MRSA)による早期PVEの1例を経験した. 感受性テストの結果から, ミノサイクリン, クリンダマイシンの大量投与を行ったにもかかわらず, 感染は難治性で, 弁周囲逆流による心不全徴候の出現を認めたため再弁置換術を施行した. 本症例では, 僧帽弁輪の後側に弁輪部膿瘍を形成しており, 正常な弁輪組織が欠損していた. このため, あらかじめGore-Tex sheetの“flange”を人工弁論の約2/3周に縫着したものを作成しておき, “flange”部分は通常の弁輪よりも左房側に転位させて縫合した. 術後経過は良好でPVEの再発もなく退院した. MRSAによるPVEは抗生剤治療に抵抗性であり, 長期化につれて弁輪膿瘍形成等の局所病変の進展を伴いやすく, 早期手術治療の適応と考えられる. メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)感染症は, 最近増加傾向にあり, 感受性薬剤が限られるため, 一旦発症すると, 治療に難渋することが多い1).
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : MRSA, 早期PVE, flange付き人工弁
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