| Title ： |
新生児開心術の補助手段の検討 |
| Subtitle ： |
原著 |
| Authors ： |
築部卓郎1), 山口眞弘2), 細川裕平1), 大橋秀隆2), 今井雅尚2), 大嶋義博2), 大保英文1), 西川育志1), 前田裕巳1), 橘秀夫3) |
| Authors（kana） ： |
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| Organization ： |
1)神戸大学医学部第2外科, 2)兵庫県立こども病院心臓血管胸部外科, 3)三木市民病院外科 |
| Journal ： |
日本胸部外科学会雑誌 |
| Volume ： |
39 |
| Number ： |
10 |
| Page ： |
1831-1838 |
| Year/Month ： |
1991 / 10 |
| Article ： |
原著 |
| Publisher ： |
日本胸部外科学会 |
| Abstract ： |
新生児期開心術成績向上の要因としての開心術補助手術の臨床的評価を行った. 1981年5月から9年間に兵庫県立こども病院において行われた新生児開心術38例を対象とした. 疾患の内訳は総肺静脈還流異常症(TAPVR)19例, 完全大血管転位症(TGA；すべてI型)7例, 左心低形成症候群7例, その他5例であった. 開心術補助手段は表面冷却・体外循環併用超低体温循環停止法12例, 中等度～高度低体温体外循環法26例(うちCardioplegic arrest法14例, 自然心室細動法12例)であった. TAPVR例では早期死亡は超低体温循環停止法3/5例(60%)に比し高度低体温体外循環法1/14例(7%)と良好であった. 体外循環離脱直後の中心静脈圧, 左房圧は高度低体温体外循環法で低く, 術後CPK-MB最高値は超低体温循環停止法の133.5±78.5IU/Lに対し高度低体温体外循環法では46.5±31.8IU/L(p<0.005)と低値であり心筋保護効果が優れていた. また, 高度低体温体外循環下の自然心室細動法では早期死亡は無く, 体外循環時間と術後尿量の間には負の相関(r=-0.695, p<0.05)がみられ体外循環時間が術後の心機能及び腎機能に影響を及ぼした. TGA例においても体外循環時間と術後尿量の間には負の相関(r=-0.899, p<0.01)がみられたが, TAPVRに比べより長時間の体外循環でも術後尿量は保たれた. 以上より新生児期開心術の手術成績向上のためには個々の病態に応じた手術, 術中補助手段, 術後管理の選択が必要であると考えられた. |
| Practice ： |
臨床医学：外科系 |
| Keywords ： |
新生児, 体外循環, 心筋保護, 総肺静脈還流異常症, 完全大血管転位症 |
