| Title ： |
肺癌外科治療における右心機能の検討-術前・術後急性期の右室駆出率の推移- |
| Subtitle ： |
原著 |
| Authors ： |
小泉潔1), 田中茂夫1), 塩田晶彦1), 原口秀司1), 師田哲郎1), 真崎義隆1), 井村肇1), 庄司佑1), 川本雅司2), 竹田普浩3) |
| Authors（kana） ： |
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| Organization ： |
1)日本医科大学胸部外科, 2)日本医科大学第1病理, 3)日本医科大学麻酔科 |
| Journal ： |
日本胸部外科学会雑誌 |
| Volume ： |
39 |
| Number ： |
10 |
| Page ： |
1839-1845 |
| Year/Month ： |
1991 / 10 |
| Article ： |
原著 |
| Publisher ： |
日本胸部外科学会 |
| Abstract ： |
肺癌外科切除例の血行動態と肺血管外水分量の推移から肺血管床減少による右心後負荷に対する代償性心機能亢進, 又は不全傾向に関して検討してきたが, 今回, 更に熱希釈法による右室駆出率(以下RVEF)/心拍出量測定装置REF-1を用いて同時測定し, 対照群を合併症群(n=6), 無合併症群(n=8)の2群に分類し対比検討した. 1. RVEFの変化は収縮終期容量(ESVI)の変化に依存していると推察され, 合併症群にESVIの増加傾向がみられた. 2. RVEFは術後6から12時間きかけて術後を100%とした術前・後の変化率(Δ%)で, 平均80%, 最大で30%までの低下がみられた. 合併症群は高齢者に多く, 術前・術後を通じて低下傾向がみられた. 3. 一回心拍出係数は心拍数の増加(150%以上)でRVEFと共に低下傾向を示した. 4. 肺血管抵抗は術直後より6時間にかけて上昇しRVEFとの間に負の相関傾向を示した. 上昇傾向が継続した症例ではRVEFの低下が遷延した. 5. 一回右室仕事係数は経過を通じて平均134%, 最大300%の機能亢進を示した. また, 後負荷に対する反応として, RVEFは術後6から12時間にかけて有意差がみられ, 一回右室仕事係数は24時間から48時間にかけて有意差をもって後負荷増大につれて代償性機能亢進がみられた. 以上より, RVEFと一回右室仕事係数との術前・術後を通じた関係は, 従来の指標1)と伴に後負荷に対する代償不全傾向の時期判断の良い指標と考えられれた. |
| Practice ： |
臨床医学：外科系 |
| Keywords ： |
肺癌, 術前・術後管理, 血行動態, 右室後負荷, 右室駆出率 |
