アブストラクト(39巻10号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 肺移植急性拒絶反応の進展様式に関する組織学的及び免疫組織化学的研究
Subtitle : 原著
Authors : 山本良二, 井上清俊, 貴志彰宏, 木下博明
Authors(kana) :
Organization : 大阪市立大学医学部第2外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 39
Number : 10
Page : 1846-1851
Year/Month : 1991 / 10
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 肺移植時の急性拒絶反応動態を, 細胞浸潤様式及びTリンパ球サブセットの時間的変動の面から検討した. 近交系ラットを使用して手術用顕微鏡下に左肺移植を行い, 術後経時的に移植肺の組織学的, 免疫組織化学的検索を行った. 病理組織学的所見からは, リンパ球の侵入部位が, 時間の経過と共に比較的太い血管壁から順次細い血管壁へと移動し, 急速に肺胞領域まで広がっていくことが示された. また, 免疫組織化学的には, 移植後3日までは全浸潤細胞に対するhelper T cell(Th)の構成率が, cytotoxic and suppressor T cell(Tc/s)のそれを上回っていた. しかし4日目になると, Tc/sの構成率はピークに達すると共にこの関係が逆転し, Thの構成率より有意に高くなった. 以上の所見より, リンパ球浸潤が間質から肺胞実質へ急速に広がると共に, Tc/sの動員が迅速大量になされることがうかがわれ, これにより短時間に移植肺の拒絶が完成すると考えられた.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 肺移植, 免疫組織化学染色, Tリンパ球サブセット, ラット
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