アブストラクト(39巻10号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 経食道心エコー法により診断が得られた僧帽弁位人工弁感染の1手術例
Subtitle : 症例
Authors : 下野高嗣, 草川均, 佐藤友昭, 和田潔人, 矢田公, 草川實
Authors(kana) :
Organization : 三重大学医学部胸部外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 39
Number : 10
Page : 1932-1936
Year/Month : 1991 / 10
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 経食道心エコー所見より術前診断が得られ, 緊急手術を施行した僧帽弁位人工弁感染の1例を報告する. 症例は39歳女性で13歳時CMCを受けていた. 昭和63年4月20日に発熱出現, 心エコーで僧帽弁前尖に疣贅を認め血培でS. sanguisが検出された. シネアンギオにてSellers III度の逆流を認め, 昭和63年7月4日Medtronic-Hall弁にてMVRを施行した. 経過は良好であったが, 平成2年6月7日より37℃台の発熱出現, 血培でS. epidermidisが検出されPVEの疑いにて当科転院となった. 転院時Levine 2度の拡張期ランブル様雑音を心尖部で聴取し, 経胸壁心エコーを施行したが疣贅や弁輪周囲膿瘍の有無は不明であった. 経食道心エコー法を施行したところ, 収縮期に左房側に翻転し拡張期には左室側に陥入する疣贅を認めた. Bjork-Shiley法にて緊急reMVRを施行し, 術後経過は良好であった. 経食道心エコー法にて疣贅を診断し緊急手術を施行したPVE例の報告は本邦ではいまだ見られず報告した.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 経食道心エコー法, 人工弁感染, PVE, 再弁置換術
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