アブストラクト（39巻10号：日本胸部外科学会雑誌）

Title　：	大動脈弁置換術後7年目に発生したII型解離性大動脈瘤に対してCabrol変法を行った1治験例
Subtitle　：	症例
Authors　：	平尾大吾1), 石倉義弥1), 小田桐重遠2), 嶋津明1), 矢野公一1), 白日高歩1)
Authors（kana）　：
Organization　：	1)産業医科大学第2外科, 2)東海大学医学部外科
Journal　：	日本胸部外科学会雑誌
Volume　：	39
Number　：	10
Page　：	1940-1944
Year/Month　：	1991 / 10
Article　：	報告
Publisher　：	日本胸部外科学会
Abstract　：	症例は66歳, 男性. III度の大動脈弁閉鎖不全症にて大動脈弁置換術後順調に経過していたが, 術後7年目突然の前胸部痛出現, 狭心症を疑われ精査目的で入院し, CT及び大動脈造影にて, 著明な上行大動脈の拡張及び解離と右冠動脈の閉塞を認め, Cabrolに準じた冠動脈血行再建を伴う上行大動脈置換術を施行し, 術後約1年半健在である. 開心術後遠隔期の上行大動脈瘤は比較的まれであり, その原因として, 上行大動脈送血部, 空気抜き用の針穿刺部, 大動脈クランプ部分, 大動脈切開線部分などが上げられているが, ほとんどは偽性動脈瘤で, 解離性大動脈瘤の報告は, 極めて少なく, その再手術成功例もまれである. 今回われわれは, 大動脈弁置換術後7年目に, 大動脈切開部より発生したと思われる解離性大動脈瘤を経験したので若干の文献的考察も含めて報告する. 開心術後遠隔期の解離性大動脈瘤の報告は, 極めて少なく, その再手術成功例もまれである. 今回われわれは, 大動脈弁置換術後7年目に, 大動脈切開部より発生したと思われる上行解離性大動脈瘤を経験したので若干の文献的考察も含めて報告する.
Practice　：	臨床医学：外科系
Keywords　：	大動脈弁置換術, 術後遠隔期合併症, II型解離性大動脈瘤, 大動脈切開線, 冠動脈再建術