Title : |
抗白血球モノクローナル抗体を用いたニホンザル肺移植拒絶反応の免疫病理組織学的検討 |
Subtitle : |
原著 |
Authors : |
中島淳1), 進藤剛毅1), 宮入剛1), 近田正英1), 大岩博1), 大塚俊哉1), 窪田博1), 古瀬彰1), 岡輝明2) |
Authors(kana) : |
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Organization : |
1)東京大学医学部胸部外科, 2)東京大学医学部病理学 |
Journal : |
日本胸部外科学会雑誌 |
Volume : |
39 |
Number : |
11 |
Page : |
1980-1986 |
Year/Month : |
1991 / 11 |
Article : |
原著 |
Publisher : |
日本胸部外科学会 |
Abstract : |
ニホンザルを用いて計11回の同種同所性左片肺移植(免疫抑制剤非使用)を施行した. その中で拒絶反応が進行したと判断した7頭について胸部X線撮影, 生検肺のヘマトキリシン-エオジン(HE)染色, 及びニホンザルに交叉反応性を有する抗ヒト, 並びに抗ニホンザル白血球モノクローナル抗体を用いた免疫組織染色を行い, 各方法の拒絶反応の診断能力に関する比較を行った. 胸部X線写真では第3病日から移植肺にびまん性の間質陰影が出現し, 次第に進行して, 第6~第7病日で含気が失われた. HE染色では, 第2病日には間質浮腫が認められ, 第3病日になると肺血管周囲に円形細胞浸潤を認め, 第5病日には肺胞壁への細胞浸潤, 壁肥厚を認めた. このように, 胸部X線像及びHE染色では第3病日に拒絶反応所見が認められたと考えられた. 免疫組織染色では, これに先立って第2病日に血管周囲にCD8陽性細胞(Suppressor/cytotoxic T細胞)が認められ, 以後CD8, CD4陽性細胞が肺血管周囲に増加する傾向を認めた. 細胞性免疫担当細胞個々の移植組織内における局在を求め得る本法により, 拒絶反応の早期発見がなされうることが示唆された. |
Practice : |
臨床医学:外科系 |
Keywords : |
ニホンザル, 同種同所性片肺移植, 急性拒絶反応, モノクローナル抗体, 抗CD8染色陽性細胞 |