アブストラクト（39巻11号：日本胸部外科学会雑誌）
| Title ： | 高齢者(85歳)心筋梗塞後心室中隔穿孔の1治験例 |
|---|---|
| Subtitle ： | 症例 |
| Authors ： | 宮本裕治1), 酒井敬2), 馬場雄造1), 中埜粛1), 松田暉1) |
| Authors（kana） ： | |
| Organization ： | 1)大阪大学医学部第1外科, 2)桜橋渡辺病院心臓外科 |
| Journal ： | 日本胸部外科学会雑誌 |
| Volume ： | 39 |
| Number ： | 11 |
| Page ： | 2046-2051 |
| Year/Month ： | 1991 / 11 |
| Article ： | 報告 |
| Publisher ： | 日本胸部外科学会 |
| Abstract ： | 急性心筋梗塞に伴う心室中隔穿孔は外科治療の絶対適応であり, また, 近年その高齢者例が増加している. 本症例は85歳女性で胸痛発作で発症し, 下壁梗塞と診断された. 入院時血行動態は安定しており, 保存的治療をしていたが, 心筋梗塞発症後13時間で突然収縮期雑音が出現し, 心臓カテーテル検査にて心室中隔穿孔と診断された. 中隔穿孔発症後3日目にIABPを開始し, 肺動脈購入圧と肺/体血流量比は減少したが肺うっ血が更に増強したため中隔穿孔発症後5日目に緊急手術を行った. 術後経過は順調で術後17ヵ月の現在自宅で元気に生活している. 本邦ではこれまでに文献上7例の80歳以上の高齢者に対する心室中隔穿孔の手術例が報告されており, 本症例はその最高齢者であると思われる. 急性心筋梗塞後の心室中隔穿孔(以下VSP)は, 発生頻度は1～2%と低いが1)2), 一旦発症すると極めて重篤な経過をたどり, 内科的治療の死亡率は1週間で54%, 1ヵ月で81%と非常に高く1)外科的治療の絶対適応となる. |
| Practice ： | 臨床医学：外科系 |
| Keywords ： | 心室中隔穿孔, 急性心筋梗塞, 高齢者 |
