アブストラクト(39巻11号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 活動期Behcet病に合併した破裂性胸部下行大動脈瘤の1治験例
Subtitle : 症例
Authors : 明元克司, 上山武史, 村上新, 古野利夫, 美濃一博, 宮本直樹
Authors(kana) :
Organization : 富山医科薬科大学第1外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 39
Number : 11
Page : 2052-2056
Year/Month : 1991 / 11
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 炎症活動期にありステロイド療法を継続していた不全型Behcet病患者の胸部大動脈瘤が肺内に破裂し, 大量出血を来した. 穿孔部より離れた中枢, 末梢で大動脈を横断し, 人工血管置換を行い, 順調に経過しており, 炎症期破裂例の手術成功例はまれなので報告する. 症例は63歳, 男性. 直径4.5cmの大動脈瘤を左第1弓の部位に3年前より認めていたが, 増大傾向ないため放置していたところ, 突然, 大量喀血を来した. 開胸すると動脈瘤は肺と強く癒着していた. 大動脈内壁に直径1.5cmの穿孔部を認めた. 動脈瘤反対側を縦切開し, 健常と思われる部で横断, 人工血管と端々吻合した. 術後ステロイドの補充療法を行ったが, 症状の悪化により増量が必要だったが, 術後20ヵ月の現在, 維持量服用により順調に経過している. Behcet病に血管病変が合併することはよく知られているが, 胸部大動脈瘤の合併はまれである. しかも, 炎症性動脈瘤であるため外科療法には様々な制限があり手術報告例は極めて少ない.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : Behcet病, 破裂性胸部大動脈瘤, 人工血管置換
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