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異種生体弁のHancock弁と機械弁のSt. Jude Medical(SJM)弁による僧帽弁置換術(MVR)の遠隔成績について比較検討した. 対象は, 手術生存のHancock群81例及びSJM群83例であり, 累積追跡期間は, それぞれ709.0患者・年及び175. 2患者・年であった. 術後抗凝血薬療法は, Hancock群24%, SJM群100%に半永久的に行った. 早期死を含む術後7年の実測生存率は, Hancock群79.3±4.6%, SJM群93.9±3.0%(p<0.01)であり, SJM群は有意に良好であった. また, 弁由来の合併症における, 術後7年の実測非発生率は, Hancock群及びSJM群で, 血栓塞栓症88.6±3.8% vs 95.0±2.8%(NS), 出血94.0±3.0% vs 98.7±1.3(NS), 弁周囲逆流92.6±3.2% vs 97.4±1.8%(NS), 感染性心内膜炎(PVE)93.9±3.0% vs 100%(p<0.05), 弁機構破綻78.0±5.2% vs 100%(p<0.001), 弁由来の全合併症58.9±5.9% vs 91.1±3.5%(p<0.001), 弁由来の全合併症に対する再手術は83.1±4.6% vs 100%(p<0.01)であった. Hancock弁はSJM弁に比較して, 抗凝血薬療法を必要としない点で優れてはいるが, 長期の弁耐久性に関しては劣っており, 弁由来の合併症に対する再手術は, 有意に高率であった. 今回の両群の比較は, 無作為抽出法による検討ではないが, SJM弁はHancock弁に比較して良好な臨床成績が得られた. |
