アブストラクト(39巻12号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 両肺転移を来したHCG産生縦隔腫瘍の治療経験
Subtitle : 症例
Authors : 相馬孝博, 小熊文昭, 寺島雅範
Authors(kana) :
Organization : 新潟県立がんセンター新潟病院胸部外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 39
Number : 12
Page : 2219-2222
Year/Month : 1991 / 12
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 症例は33歳, 男性. 甲状腺機能亢進と血胸が初発症状であった. 胸部X線像上の前縦隔・両肺異常影とHCG異常高値から, 絨毛癌に分化した胚細胞性腫瘍を疑い, CDDPを中心とした化学療法を施行した. HCG値がほぼ正常域に低下したので, 胸骨正中切開にて摘出術を行ったところ, 腫瘍は原発巣・転移巣ともに完全に壊死に陥っていた. 術後4年を経過するも再発の徴候はない. このように両肺転移を来した胚細胞性悪性腫瘍でも, 化学療法が著効を奏する場合には, 積極的な外科治療も追加すべきである. 縦隔原発の胚細胞性悪性腫瘍は, 比較的まれな疾患であるが, シスプラチン(CDDP)が導入されてから長期生存例も散見されるようになった. 今回われわれは, ヒト絨毛性ゴナドトロピン(以下HCG)を産生し両肺転移を来した縦隔腫瘍に対し, 化学療法が著効を奏した一手術例を経験したので, 若干の文献的考察を加えて報告する. 「症例」症例:33歳, 男性. 主訴:心悸亢進及び胸痛.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 縦隔原発胚細胞性腫瘍, HCG, 甲状腺機能亢進症, CDDP, 外科治療
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