Abstract : |
右側rudimentary RVから大動脈が起始する, Double Inlet LV, Ventriculoarterial discordanceに対し, 動脈スイッチをした上でstraight patchによるseptationを行い良好な結果を得たので報告する. 症例は5歳男児. 3ヵ月時に肺動脈絞扼術, 4ヵ月時に肺動脈吊り上げ術施行. 心臓カテーテル検査にてQp/Qs 1.26, Pp/Ps 0.19, LVEDV 315% of normal, LVEF 0.55の結果で今回解剖学的修復手術となった. 手術は, まず, Lecompte変法による動脈スイッチを行い, その上でEPTFE patchによるseptationを施行した. 術後経過は良好であった. 本法は, 解剖学的僧帽弁を体心室側とすること, Outlet foramenによる左室流出路狭窄の進行を回避できること, Straight patchによりseptationできることなどで優れた方法と思われる. Double Inlet LV(DILV)における心室中隔作成術(Septation)の一般的な報告例としては, 左側Rudimentary RVから大動脈が起始する(Van Praagh分類1), SLL型)修正大血管転位タイプのものと, 大血管関係は正常で右側Rudimentary RVから肺動脈が起始する(SDN型), いわゆるHolmes heart2)があげられる. |