アブストラクト(39巻12号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 右鎖骨下動脈起始異常の成人例に対する胸骨正中切開前方到達法による1治験例
Subtitle : 症例
Authors : 大蔵幹彦1), 三角隆彦1), 南雲正士1), 酒井隆2), 川田光三3)
Authors(kana) :
Organization : 1)平塚市民病院心臓血管外科, 2)平塚市民病院循環器科, 3)慶應義塾大学医学部外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 39
Number : 12
Page : 2234-2239
Year/Month : 1991 / 12
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 嚥下困難を主訴とする33歳女性の右鎖骨下動脈起始異常に対し, 胸骨正中切開前方到達法により手術を施行した. 異型右鎖骨下動脈の起始部は, 上行大動脈, 左右総頸動脈を剥離したのち, 上行大動脈を左方によけると容易に切離し得た. 切離した右鎖骨下動脈末梢側は, 縦隔の右方に引き出し, 右頸部にて右総頸動脈と端側吻合し血行再建した. この際, 総頸動脈の血流遮断時間を短縮すべく内シャントチューブを用いた. 術後経過は順調で, 嚥下困難は完全に消失し, 上肢血圧の左右差なく, 第16病日退院した. 本症の成人例に対する手術では右鎖骨下動脈の起始部での離断に加え, 末梢側の血行再建が推奨されるが, 胸骨正中切開前方到達法により両手術操作が良好な視野で行うことができ, 特に起始部へのアプローチの際には, 上行大動脈を左方によけ大動脈弓部後方からの到達が有用であった. 先天性大動脈弓部分枝異常である右鎖骨下動脈起始異常に対する最初の報告は, 1735年Hunaultによるとされている1).
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 右鎖骨下動脈起始異常, 異型右鎖骨下動脈, 大動脈弓部分枝異常, 嚥下困難
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