アブストラクト（39巻12号：日本胸部外科学会雑誌）
| Title ： | 心臓に原発した悪性線維性組織球腫の1手術例 |
|---|---|
| Subtitle ： | 症例 |
| Authors ： | 佐々木建志1), 田中茂夫1), 池下正敏1), 庄司佑1), 藤田良範2), 片桐敬2) |
| Authors（kana） ： | |
| Organization ： | 1)日本医科大学胸部外科, 2)昭和大学医学部第3内科 |
| Journal ： | 日本胸部外科学会雑誌 |
| Volume ： | 39 |
| Number ： | 12 |
| Page ： | 2240-2245 |
| Year/Month ： | 1991 / 12 |
| Article ： | 報告 |
| Publisher ： | 日本胸部外科学会 |
| Abstract ： | 左房に原発した悪性線維性組織球腫の1例を報告する. 症例は48歳, 女性. うっ血性心不全症状で発症し, 心エコーにて左房内腫瘍が発見された. CT・MRI・Ga-scintigram等の所見より左房原発悪性腫瘍を疑い手術を行った. 腫瘍は左房後壁より発生し左房腔をほぼ占拠, 僧帽弁後尖から左室後壁まで浸潤していた. 僧帽弁後尖を含めて腫瘍を切除し僧帽弁置換術を行ったが, 僧帽弁輪, 左室後壁に腫瘍は残存した. 術後日常生活に復したが, 4ヵ月後心不全症状で再発, 腫瘍の局所再発, 腰椎, 骨盤転移に対し化学療法, 放射線治療を試みるも効果なく, 再手術を施行したが術中死した. 心臓原発悪性線維性組織球腫は現在までに28例の報告があるが, 積極的な外科治療を行った症例以外に長期生存例はなく, 早期診断及び積極的外科治療が重要である. 悪性線維性組織球腫(Malignant fibrous histiocytoma；以下MFHとする)は比較的新しい疾患概念で1), 成人の軟部組織に好発する悪性腫瘍であるが2)3), 本腫瘍が心臓に原発することはまれである. |
| Practice ： | 臨床医学：外科系 |
| Keywords ： | 心臓腫瘍, 悪性線維性組織球腫, 左房内腫瘤 |
