アブストラクト（39巻12号：日本胸部外科学会雑誌）
| Title ： | 胸骨正中切開後の胸骨縫合にポリ乳酸胸骨接合ピンを使用した1手術例 |
|---|---|
| Subtitle ： | 症例 |
| Authors ： | 黄政龍1), 北野司久1), 辰巳明利1), 田中文啓1), 長澤みゆき1), 清水慶彦2) |
| Authors（kana） ： | |
| Organization ： | 1)天理よろづ相談所病院胸部外科, 2)京都大学生体医療工学研究センター実験外科 |
| Journal ： | 日本胸部外科学会雑誌 |
| Volume ： | 39 |
| Number ： | 12 |
| Page ： | 2246-2250 |
| Year/Month ： | 1991 / 12 |
| Article ： | 報告 |
| Publisher ： | 日本胸部外科学会 |
| Abstract ： | 両側気胸症例(16歳・男性)に対して, 胸骨正中切開法により両側一期的手術を施行し, その後の胸骨縫合に吸収性ポリ乳酸(PLA)胸骨接合ピンを使用した. まず縫合用にポリエステル糸を7本かけ, 支持用として4号鋼線を2本かけた. PLA胸骨接合ピンを骨髄腔に挿入し, 鋼線で胸骨を引き寄せた状態にし, 縫合糸を結紮した. そして, 支持用の鋼線は抜去した. 術後経過は順調で, PLA胸骨接合ピンを使用したことによる骨髄炎所見はみられなかった. 術後1年における観察では, 胸部CTでPLA胸骨接合ピンの吸収と胸骨皮質の良好な癒合がみられ, 骨髄シンチにおいても胸骨の骨髄機能障害は認めなかった. PLA胸骨接合ピンの使用は, 胸骨縫合に際して強固な固定が得られるので, 胸骨癒合不全の防止につながると思う. 更に, その使用により鋼線が不必要となり, 生体内に有利である. 近年, 胸骨正中切開法は心臓外科や前縦隔腫瘍の手術だけでなく, 気腫性肺嚢胞や転移性肺腫瘍などの際に両側一期的手術として広く使用されてきている. |
| Practice ： | 臨床医学：外科系 |
| Keywords ： | ポリ乳酸, 胸骨接合ピン, 胸骨正中切開, 胸骨縫合 |
