アブストラクト(39巻12号:日本胸部外科学会雑誌)
Title : | 慢性期外傷性解離性胸部大動脈瘤の1治験例 |
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Subtitle : | 症例 |
Authors : | 今牧瑞浦, 橋本明政, 青見茂之, 徳永裕之, 小柳仁 |
Authors(kana) : | |
Organization : | 東京女子医科大学日本心臓血圧研究所循環器外科 |
Journal : | 日本胸部外科学会雑誌 |
Volume : | 39 |
Number : | 12 |
Page : | 2261-2264 |
Year/Month : | 1991 / 12 |
Article : | 報告 |
Publisher : | 日本胸部外科学会 |
Abstract : | 外傷性胸部大動脈瘤で慢性期まで移行するものは文献上5%以下と少ない1). 今回われわれは, 慢性期例でその病理組織上外傷性としてはまれである解離を呈する症例を経験したので, 文献的考察と共に報告する. 症例は63歳, 男性. 交通外傷受傷後多発外傷と共に胸部大動脈瘤を指摘された. 受傷3ヵ月後, 遠心ポンプ使用による左心バイパス下人工血管置換術を施行し, 良好な結果を得た. 病理学的には, 大動脈壁全周の80%にわたる中膜レベルでの解離であり, 外傷の応力により大動脈中膜までの損傷がまず起こり, 次に血流及び大動脈圧により大動脈長軸方向に解離が及んだものと考えられた. 外傷性胸部大動脈瘤で慢性期まで移行するものは非常に少ないが, 慢性期例の多くは大動脈壁の中で最も強いとされる外膜のみで瘤壁を構成する仮性大動脈瘤の形をとる. 今回, 著者らは慢性期の外傷性解離性胸部大動脈瘤に対して外科的治療を施行したので若干の文献的考察を加え報告する. |
Practice : | 臨床医学:外科系 |
Keywords : | 外傷性胸部大動脈瘤, 解離性大動脈瘤 |