アブストラクト(40巻1号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 体外循環中のプロスタグランディンE1投与による末梢循環改善効果についての検討-とくに復温に及ぼす影響について-
Subtitle :
Authors : 田畑良宏, 森渥視, 渡田正二, 尾上雅彦, 白石昭一郎, 野島武久, 松野修一
Authors(kana) :
Organization : 滋賀医科大学第2外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 40
Number : 1
Page : 6-12
Year/Month : 1992 / 1
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 血管拡張剤としてPGE1を体外循環中に0.1μg/kg/minの濃度で静脈内に投与したPGE1群と, 無投与の対照群で血圧, 体温, 尿量等の要因を比較し, その効果を検討した. 血圧は有意に低下するが, 血圧低下に伴った尿量減少は対照群に比しPGE1群ではその程度が少ない. これはPGE1の利尿効果によるものと推測された. 復温時直腸温勾配と体表面積の間には負の相関が認められ, 直腸温勾配は体表面積が小さい症例では対照群の方が高く, 体表面積の大きい症例ではPGE1群の方が高い傾向にあった. 復温時深部温勾配と体表面積の間には相関関孫があり, 対照群では負の相関であったが, PGE1群では正の相関であった. このような複雑な現象は体重に関係した体の熱容量, 熱の喪失路である体表面及び熱の躯幹中心から表面へ運搬する血流の変化に伴う総合的な結果と推測され, PGE1投与による体外循環中の末梢循環改善効果におう現象であることが示唆された.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 体外循環, PGE1, 深部温度, 熱移動, 末梢循環
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