アブストラクト(40巻1号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 新生児期, 乳児期早期TGAに対する, 補填物を全く用いないarterial switch手術(Pacifico法)の検討
Subtitle :
Authors : 田代忠, 藤堂景茂, 春田泰伸, 田中攻, 永田昌彦, 豊田温*
Authors(kana) :
Organization : 聖マリア病院胸部心臓血管外科, *聖マリア病院小児循環器科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 40
Number : 1
Page : 66-70
Year/Month : 1992 / 1
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 大血管転位症(以下TGA)に対する解剖学的根治術である動脈スイッチ手術(以下ASO)は, 左心室を体心室として使用するという理論的妥当性, 良好な遠隔成績より, TGAに対する標準的術式となってきた. しかし, 冠動脈移植にかなりのテクニックを必要とすることや, 術後の肺動脈狭窄の出現などの問題点も有り, これらの問題点に対する対策が必要と考えられた. われわれは, Pacificoらが報告した術式にて, 全く補填物を用いることなくASOを新生児期及び乳児期早期の5例に行い全例遠隔生存し, 術後のドップラー及び心臓カテーテル検査にて肺動脈―右室圧較差の有意な低下など, 肺動脈吻合部及び肺動脈弁の良好な発育を示唆する結果が得られた. Pacifico法の特徴は, 新大動脈を再建した後に冠動脈移植を行うため, 固定された大動脈に冠動脈フラップを縫着でき冠動脈移植が手技的にやや容易になること, 肺動脈再建を含めて全く補填物を用いることなくASOを行えることであった.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 大血管転位症, 動脈スイッチ手術, 補填物を用いない
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