Abstract : |
手術療法を行った自然気胸138症例を対象に, アンケート調査による術後Quality of lifeの評価も含めて検討を加えた. 手術は149回154側に行った. 術後アンケート調査で追跡できたのは95症例(平均術後経過期間55.3ヵ月)であった. 初回発症に対しても積極的に手術療法を選択した結果, 初回発症時手術例が90例(65.2%)であった. 術後合併症は再発1例(0.6%), 膿胸4例(2.6%, うち2例が手術), 創感染18例(11.7%)であった. 術後愁訴では創痛が12例(12.6%), 運動制限9例(9.5%), 創部の感覚低下9例(9.5%)が主なものであり, このため生活に支障を感じるものは4例(4.2%)で, 支障がなくなるまでに平均5.3ヵ月を要していた. 再発の不安は47例(49.5%)がもっていたが, 術後Quality of lifeはほぼ満足のいく結果であった. 再発の防止, 術後Quality of lifeの面から考えて手術療法は確実で安全な治療法であり, 初回発症例に対しても積極的に手術療法を考慮すべきであり, 特に社会的活動性の高い年齢層においては手術療法を第1選択とすべきである. |