アブストラクト(40巻1号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 人工気胸術後慢性結核性膿胸壁より発生したT細胞型非ホジキン悪性リンパ腫の1手術例
Subtitle : 症例
Authors : 吹野俊介, 深田民人, 井上明彦, 畑沢幸雄, 森尾哲
Authors(kana) :
Organization : 鳥取県立厚生病院外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 40
Number : 1
Page : 113-117
Year/Month : 1992 / 1
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 症例は, 63歳男性. 39年前に右肺結核のため人工気胸術を受け, その後無症状ながら慢性膿胸となっていた. 1989年12月, 右胸壁に5cmの腫瘤を形成し, 2週間で15cmに増大し激痛を伴った. 胸部CTで胸壁腫瘍と膿胸壁との関連を認め, 1990年3月7日, 腫瘍と膿胸壁を含めて胸壁全層切除(20×20cm)を行った. 腫瘍は, 11×8×7cmで, 膿胸壁より胸壁側へ進展しており, 膿胸腔内への浸潤は認められなかった. 病理診断は, びまん性大~中細胞性T細胞型の非ホジキン悪性リンパ腫であった. 術後放射線療法, VEPA療法を行ったが, 両肺への転移を来し, 術後161日目に死亡した. 膿胸壁より発生した悪性リンパ腫の報告例は, そのほとんどがB細胞型で, T細胞型は稀で, 本症例が2例目である. また, 本疾患の画像診断には胸部CTが有効であった. 結核性胸膜炎や, 人工気胸術後長期間を経て胸膜胼胝や膿胸壁に発生する悪性腫瘍の報告例が国内外で散見される1)~5).
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 慢性結核性膿胸, T細胞型非ホジキンリンパ腫, 人工気胸術
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