アブストラクト(40巻1号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 感染性脳動脈瘤破裂によるクモ膜下出血を合併した感染性心内膜炎に対する人工弁置換術の1例
Subtitle : 症例
Authors : 白石義定, 粟津篤司, 原田俊郎, 小原弘嗣, 松田功*, 上条純成*
Authors(kana) :
Organization : 大津赤十字病院心臓血管外科, *大津赤十字病院脳神経外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 40
Number : 1
Page : 118-123
Year/Month : 1992 / 1
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 中大脳動脈主要分枝の1つである角回動脈末梢の感染性動脈瘤破裂によるクモ膜下出血を合併した55歳男性の感染性心内膜炎例に対して, 疣贅の拡大と心不全の進行のため, 大動脈弁置換術を行った. 脳動脈瘤の存在を考慮して生体弁を選択し, 術後は抗凝固療法を行わなかった. 開頭術後の神経脱落症状を回避するため, 脳動脈瘤に対しては保存的治療に徹した. 脳血管造影で追跡した脳動脈瘤は9ヵ月後の現在も存在しているが, 著しく縮小した. 感染性脳動脈瘤を伴った感染性心内膜炎に対する弁置換術例は自験例を含め30例が報告されているが, 生体弁を選択し, 抗凝固療法を行わず保存的治療で脳動脈瘤を長期追跡した症例はない. 本例に対する管理方法の是非は結論できないが, 血栓症などの合併症を経験することなく脳動脈瘤をほぼ消失し得た事実は, 本症に対する1つの治療方法になり得ると思われる. 感染性心内膜炎に感染性脳動脈瘤が合併した場合の治療法, 特に, 脳動脈瘤に対する扱いについては議論のある所である.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 感染性心内膜炎, 人工弁置換術, 生体弁, 感染性脳動脈瘤, 保存的治療
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