アブストラクト(40巻1号:日本胸部外科学会雑誌)
Title : | 亜急性期に縦隔の左方移動がみられた外傷性胸部大動脈瘤の1手術治験例 |
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Subtitle : | 症例 |
Authors : | 神頭定彦, 藤井尚文, 宮崎忠昭*, 野原秀公** |
Authors(kana) : | |
Organization : | 長野赤十字病院心臓血管外科, *長野赤十字病院外科, **信州大学医学部第2外科 |
Journal : | 日本胸部外科学会雑誌 |
Volume : | 40 |
Number : | 1 |
Page : | 124-127 |
Year/Month : | 1992 / 1 |
Article : | 報告 |
Publisher : | 日本胸部外科学会 |
Abstract : | 亜急性期に左無気肺のため縦隔・気管の左方移動がみられた, 外傷性胸部大動脈瘤の1手術治験例を報告する. 症例は17歳, 男性で, 交通外傷によるショック状態で入院した. 胸部X線写真にて, 縦隔の拡大は認めたが, 気管の右方偏位はなく, 多発骨折による外傷性ショックとして整形外科治療とされた. 4日後, 胸部X線写真にて左胸水貯留, 無気肺, 縦隔・気管の左方偏位を認め, CTで大動脈瘤を疑われ, 当科へ紹介された. DSAにて, 大動脈挟部の外傷性仮性胸部大動脈瘤と診断し, 一時バイパス下に下行大動脈人工血管置換術を施行した. 術後経過は順調である. 本邦における手術例は慢性期が多く, 亜急性期はまれである. 診断では, 受診時胸部X線写真で, まず本症を疑うことが大切だが, 無気肺により縦隔・気管が左方偏位を来した症例はなく, 今後, 念頭に置く必要がある. 大動脈損傷は, 急性期に出血死することがほとんどで, 延命し仮性大動脈瘤を形成し手術を受けた症例も慢性期が多く, 亜急性期の報告例は比較的まれである. |
Practice : | 臨床医学:外科系 |
Keywords : | 外傷性胸部大動脈瘤, 仮性胸部大動脈瘤, 鈍的外傷, 気管左方偏位, 無気肺 |