アブストラクト(40巻1号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 僧帽弁置換術に合併した左室破裂と気管食道瘻に対する手術治験例
Subtitle : 症例
Authors : 松田均, 山本信一郎, 石井昇, 松森正之, 岡田昌義, 中村和夫
Authors(kana) :
Organization : 神戸大学医学部第2外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 40
Number : 1
Page : 141-148
Year/Month : 1992 / 1
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 症例は59歳, 女性. 左房内血栓を伴う僧帽弁狭窄症に対し人工弁(Medtronic-Hall弁27mm)を用いて僧帽弁置換術(MVR)を行った. 体外循環終了後, 閉胸操作中に急激な心嚢内の出血を認め, すぐに心停止となった. 心マッサージ下に体外循環を再開し, 左室破裂(Miller III型)の診断を得て穿孔部を縫合閉鎖した. 術後早期に, 腎不全及び心不全を合併したが, 腹膜灌流とIntraaortic balloon pumpingにより軽快した. しかし, 縦隔炎と呼吸不全に対しては, 長期間の吻呼管理が余儀なくされ, 17日目に気管切開を施行した. その後, 縦隔炎は軽快せず, 39日目に気管食道瘻(TEF)の合併が食道内視鏡と気管支鏡により確認され, 縦隔洞洗浄と胃瘻造設を行った後, 102日目に食道の直接縫合と気管環状切除・端々吻合を施行した. 術後の経過は順調で約3ヵ月後に退院し, 退院後12ヵ月の現在健在である. MVR合併左室破裂及びTEFはともに重篤な合併症であるが, 適切な手術療法により救命できたので, 文献的考察を加え報告する.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 僧帽弁置換術, 左室破裂, 気管食道瘻
このページの一番上へ