アブストラクト(40巻2号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 冠動脈バイパス術後遠隔期における運動耐容能
Subtitle :
Authors : 鬼頭義次, 小原邦義, 川副浩平, 小坂井嘉夫, 笹子佳門, 下村克朗*, 川島康生
Authors(kana) :
Organization : 国立循環器病センター心臓血管外科, *国立循環器病センター心臓内科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 40
Number : 2
Page : 219-224
Year/Month : 1992 / 2
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 冠動脈バイパス術(coronary bypass grafting, CABG)後に継続的に運動負荷試験を施行した, 合併手術症例を除く400例, 648回を対象とした. 男性359例,女性41例で, 平均年齢は56±8.0歳であった. なお, 運動負荷試験は術後6カ月から10年, 平均2.9±2.1年に施行した. 最大到達運動量は8METS以下160例, 10METS以上240例で, その陽性率は35%であった. 運動負荷中の胸痛出現は17%, 心電図変化32%, 血圧低下3%, 不整脈出現1%であった. 冠状動脈病変数バイパス本数, 及び陳旧性心筋梗塞の合併の有無と陽性率の間には有意差を認めなかった. グラフト閉塞群が開存群に比較し(p<0.01), 不完全バイパス群が完全バイパス群に比較して有意に陽性率は高値を示した(p<0.01). 最大到達負荷量は, 59歳以下群が60歳以上の高齢群に比較し(p<0.01), 男性が女性に比較し(p<0.01), グラフト開存群が閉塞群に比較し(p<0.05), 8METS以下群が10METS以上群に比較して(p<0.01)有意に高値を示した. 冠状動脈病変, バイパス本数, 陳旧性心筋梗塞の有無, 心機能及びグラフト完成度との間には有意の相関を認めなかった. 運動負荷試験の経年的陽性率及び狭心痛出現率は術後5年目までは有意の変化を認めなかった. 運動負荷陽性率は不完全バイパス群が完全バイパス群に比較して術後早期は有意に高値を示した(p<0.01). しかし, 完全バイパス群では経年的に陽性率は増加の傾向を示し, 2年目以降では両群間に有意差を認めなかった.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 冠動脈バイパス術, 運動耐容能, トレッドミル運動負荷試験
このページの一番上へ