アブストラクト(40巻2号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 急性激症型重症筋無力症の治療経験
Subtitle : 症例
Authors : 大内将弘, 庄司好己, 吉田出, 伊藤康博*, 近江三喜男**, 佐治公明**
Authors(kana) :
Organization : 国立仙台病院心臓血管外科, *東北大医学部胸部外科, **佐治外科医院
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 40
Number : 2
Page : 265-272
Year/Month : 1992 / 2
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 重症筋無力症(MG.)例中, Osserman III型に相当する急性激症型MG.症例を, MG.発症から2カ月以内に急激に悪化した例としてみると, 当科で経験した188例(胸腺腫合併38例, 非合併150例)中, 急性激症型MG.例は4例(2%)であった. 22歳から42歳までの男2例, 女2例で, 胸腺腫合併例は3例, 非合併は1例であった. 4症例とも, 胸腺手術から10年以上経過した例であるので, 急性期の治療状況とこれまでの治療経過, 現在の状態を中心に臨床的に検討を加えたので報告する. 4症例中2例は, 入院時, 既に気管チューブが挿入され, 呼吸管理下にあった. 他の2例は入院2日目に人工呼吸管理が必要であった. 全例入院から14日以内に胸腺手術を施行した. 術後の呼吸管理期間は10日から120日間に及び入院治療期間も8カ月から2年1カ月に及んだ. 急性期にはACTH, プレドニンを始め血漿交換, 免疫抑制剤による治療が必要であった. 4症例中1例は胸腺腫摘出術(胸摘)後のMG.であり, 1例は慢性関節リューマチ(RA.)合併例で, D-ペニシラミン服用によるMG,であった. 長期臨床経過中, RA.合併例を除く3例中2例はプレドニン漸減も順調に行われ, 遠隔期の現在, 内服治療継続中であるが特に日常生活に支障はない. 1例は胸摘後6年目, PE.療法が必要であった. RA.合併例では胸摘後10年目の現在抗Ach・R・Ab値も高く, RA.症状, MG.症状ともに強く入・退院をくり返している.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 重症筋無力症, 急性激症型重症筋無力症, 胸腺摘出術, D-ペニシラミン誘発重症筋無力症, post-thymomectomy myasthenia gravis
このページの一番上へ