アブストラクト(40巻2号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 右鎖骨下動脈起始異常を伴ったDeBakey III型解離性大動脈瘤の1手術例
Subtitle : 症例
Authors : 福島鼎, 上沢修, 山口勉, 三澤吉雄, 加藤盛人, 長谷川嗣夫
Authors(kana) :
Organization : 自治医科大学胸部外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 40
Number : 2
Page : 278-281
Year/Month : 1992 / 2
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 右鎖骨下動脈起始異常を伴った解離性大動脈瘤の1手術例を経験したので報告する. 症例は51歳男性. 主訴は背痛, 胸痛. 大動脈造影でDeBakey III b型解離性大動脈瘤と判明したが, 右鎖骨下動脈は4番目の弓分枝として下行大動脈から分岐し, しかも, 解離が認められた. 疼痛が激しいため発症3日目に左開胸を行い, 大腿動静脈バイパス下に大動脈瘤切開, 内膜亀裂部直接縫合閉鎖術を行った. 術後も降圧療法を行い解離腔は残存したが, 7年間ほとんど変化は認められない. 同様症例は調べ得た限りでは外国に5例の報告があったが, 本邦では見当たらなかった. 右鎖骨下動脈起始異常は大動脈弓分枝の異常としては頻度が高いが1), 胸部X線写真で発見されることは少なく, 多くの場合無症状で経過する2). 解離性大動脈瘤を合併した報告は非常に珍しく, 文献上5例のみであった3)~6). 著者らは1症例を経験したので, 若干の文献的考察を加えて報告する.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 解離性大動脈瘤, 右鎖骨下動脈起始異常, Kommerell大動脈憩室
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