アブストラクト(40巻2号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 不規則抗体をもつ貧血症例に対するエリスロポエチンを使用した自己血輸血開心術
Subtitle : 症例
Authors : 渡辺泰徳, 布施勝生, 成瀬好洋, 小林俊也, 小西宏明, 柴田洋一*
Authors(kana) :
Organization : 虎の門病院循環器センター外科, *虎の門病院循環器センター輸血学科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 40
Number : 2
Page : 282-285
Year/Month : 1992 / 2
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 症例は78歳の女性の冠状動脈3枝病変のため冠状動脈バイパス術の適応であった. 不規則抗体(抗Jra抗体)をもっており同種血輸血による溶血反応で合併症を起こす可能性があり自己血輸血による手術が望まれた. しかしヘモグロビン値(Hb)が10.7g/dlと貧血があり自己血を貯血できなかったため, エリスロポエチン(rHuEPO)100U/kg/day及び鉄剤を連日静脈内投与して造血をはかった. rHuEPO投与開始後2週間でHbは12.1g/dlに増加したため自己血の採取を開始したが, 最初の1,200mlは冷凍保存血として, 残る400mlは液状保存血として貯血した. rHuEPO投与開始後8週で手術を施行したが, 術中術後に同種血輸血を必要とせず合併症を起こすことなく経過した. 従来なら同種血輸血が必至となる貧血症例でも, rHuEPOを投与することにより自己血のみによる開心術が可能である.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : エリスロポエチン, 自己血輸血開心術, 貧血, 不規則抗体
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