アブストラクト(40巻2号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 三尖弁狭窄を伴うEbstein奇形に三尖弁切除を行った1例
Subtitle : 症例
Authors : 脇田昇, 志田力, 顔邦男, 山本信一郎*
Authors(kana) :
Organization : 神戸労災病院心臓血管外科 *神戸大学医学部第2外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 40
Number : 2
Page : 305-310
Year/Month : 1992 / 2
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 症例は40歳の男性. 生来健康であったが, 数カ月前から労作時倦怠感を自覚, 心嚢液の貯留を指摘されて入院した. 心不全症状は, ベッド上安静が必要であるNYHA IV度であった. 心精査では右心房圧は平均18mmHg(a波28:v波20mmHg)と高く, 三尖弁前後に大きな圧較差が存在していた. また, 心内心電図と圧波形の同時測定より高度の三尖弁狭窄を伴うEbstein奇形と診断された. 三尖弁の付着は右心室の流出部付近まで変位しており機能的右心室は狭小化していた. このため, 三尖弁転位や人工弁置換は行えないと判断し, 三尖弁切除を行った. 術後経過は良好で, 右心房圧も低下して心不全も改善した. 三尖弁の狭窄が高度で機能的右心室の極めて小さいEbstein奇形の症例には三尖弁切除術の適応があると思われたので報告する. Ebstein奇形は三尖弁の付着異常を主体とする先天性心疾患であるが, その程度は様々であり, 症例により治療方針は異なってくる.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : Ebstein奇形, 三尖弁狭窄症優位型(TSi型), 三尖弁切除術
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