アブストラクト(40巻2号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 高度の総動脈幹弁逆流を伴った総動脈幹に対する新生児期心内修復術の1治験例
Subtitle : 症例
Authors : 内藤泰顯, 藤原慶一, 高垣有作, 川崎貞雄, 鈴木啓之*, 上村茂*
Authors(kana) :
Organization : 和歌山県立医科大学胸部外科, *和歌山県立医科大学小児科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 40
Number : 2
Page : 330-333
Year/Month : 1992 / 2
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 高度の総動脈幹弁逆流を伴った総動脈幹(I型)の新生児症例(生後21日目)に対し, 1期的に心内修復術を施行し救命しえた. 総動脈幹弁は四弁で, 全ての弁尖縁は小結節状に肥厚し, 一弁尖に裂隙が認められた. この裂隙を隣接する弁尖と縫合し, 三尖弁状にすることによって修復した. 更に, 四交連部を縫縮する弁輪縫縮術を加えた. 肺動脈はグルタールアルデヒド処理自家心膜三弁付き馬心膜導管にて再建した. 総動脈幹弁の逆流は術後2年の現在も軽度にとどまっている. 総動脈幹はしばしば総動脈幹弁逆流を伴い, なかでも, 逆流が高度なものの予後は極めて不良である. 文献上, 本例のごとき弁修復による新生児期心内修復術の成功例の報告はみられないが, 本例は, たとえ総動脈幹弁の逆流が高度でも, 弁修復により良好な結果がえられる可能性のあることを示している. 総動脈幹の外科治療において, 総動脈幹弁逆流(以下TrR)が高度なものの弁修復は困難と考えられており, 一般に, 弁置換を行われている.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : Truncus arteriosus, Truncal valve inufficiency, Rastelli operation in neonate, Repair of truncal valve
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