アブストラクト(40巻2号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 食道原発性腺様嚢胞癌2例の検討
Subtitle : 症例
Authors : 吉田泰憲, 岡村健, 矢野公一, 中西浩三, 川原英之*, 白日高歩
Authors(kana) :
Organization : 産業医科大学第2外科, *川崎市立井田病院外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 40
Number : 2
Page : 334-339
Year/Month : 1992 / 2
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 食道原発性腺様嚢胞癌はきわめて稀な疾患であり, その発生頻度は0.1~0.3%と言われている. 今回われわれが検索し得た限りでは, 内外で自験例を含み61例にすぎない. その臨床的特徴としては, 他の部位の腺様嚢胞癌は比較的予後が良いのに対し, 食道に発生したものは極めて予後が悪くほとんどが2年以内に死亡している. 当教室では, 術後7カ月で死亡した予後の不良な1例と, 術後3年以上生存中の比較的予後良好な食道腺様嚢胞癌を経験したので, この予後の対照的な2例について報告する. 本症は悪性度が高く, 予後の悪い疾患であるが, 早期に発見し切除すれば予後が期待できる. 腺様嚢胞癌(adenoid cystic carcinoma)は主に唾液腺及び気管・気管支腺に見られることが多いが, 食道原発の腺様嚢胞癌は極めて稀である. その報告は1950年U.S. Navy Medical SchoolのColor Atlas of Pathology 1)に収録されたものが最初とされて以来, 今日までにわれわれが調べ得た限りでは内外で自験例を含み61例にすぎない.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 食道腺様嚢胞癌
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