アブストラクト(40巻3号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 術前ショック状態となった急性心筋虚血症例に対する外科治療
Subtitle :
Authors : 郷良秀典, 壷井英敏, 岡田治彦, 南佳秀, 古永晃彦, 加藤智栄, 藤村嘉彦, 江里健輔, 古川昭一*, 小田達郎*
Authors(kana) :
Organization : 山口大学医学部第1外科, *済生会山口総合病院外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 40
Number : 3
Page : 354-358
Year/Month : 1992 / 3
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 術前ショック状態となった急性心筋虚血例に対し施行した冠血行再建術について検討し報告する. 対象症例は10例で, 男性6例, 女性4例であった. 年齢は44~73歳, 平均64.3歳であった. 全例狭心症の既往を有し, 陳旧性心筋梗塞を認めた症例は2例であった. ショックを来した原因の内訳は, 自然発症6例, PTCA trouble 3例, 心臓カテーテル検査trouble 1例であった. 10例のうち, 生存例7例, 死亡例3例で, 手術死亡は2例であった. 死因はMOF(2例)及び重症ポンプ失調(1例)であった. 冠動脈病変は, 生存例ではLMT 1例, 3枝病変2例, 2枝病変(LAD+RCA)2例, 1枝病変2例(RCA, LAD各1例), 死亡例ではLMT 2例, LMT+RCA 1例で全例にLMT病変を有し, LMT病変例は死亡例で有意に多かった(p<0.02). 術前心電図は, 生存例ではST上昇5例, Vf 2例, 死亡例ではST上昇+Q波2例, Vf 1例であった. 虚血発症から体外循環開始及び冠灌流再開までの時間は, 生存例でそれぞれ4.6, 6.3時間, 死亡例で4.8, 6.5時間であった. 体外循環時間, 大動脈遮断時間は生存例でそれぞれ155,60分, 死亡例で202,80分で, いずれも生存例と死亡例の間に有意差はなかった. 術後24時間目の血行動態では, 生存例でForrester I度4例, II度2例, III度1例, 死亡例でIII度1例, IV度2例で, 死亡例で有意に重篤であった. 主な予後決定因子は, LMT病変の有無, 術前心電図と術後24時間の血行動態で, LMT病変を有するもの, 術前よりQ波の存在するもの及び冠血行再建後24時間を経ても血行動態の改善がみられないものは予後不良であった.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 心原性ショック, 急性心筋虚血, 冠動脈バイパス術
このページの一番上へ