アブストラクト(40巻3号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 肺内破裂を来し血痰を主訴とした左鎖骨下動脈瘤の1治験例
Subtitle : 症例
Authors : 飯島啓太郎, 栗林良正, 桜田徹, 関根智之, 相田弘秋, 阿部忠昭
Authors(kana) :
Organization : 秋田大学医学部心臓血管外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 40
Number : 3
Page : 440-443
Year/Month : 1992 / 3
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 症例は68歳, 男性. 遷延する血痰を主訴とし, 胸部X線, 血管造影, 胸部CT及び胸部MRIにて左鎖骨下動脈瘤の肺内破裂と診断された. 手術は左第3肋間開胸にて動脈瘤に達し, 瘤切除後, 大動脈弓部より遠位側左鎖骨下動脈にバイパスを行った. 鎖骨下動脈瘤の肺内破裂により喀血・血痰を来すことはまれであるが, 上縦隔異常陰影を認めた場合, 鑑別診断の1つとして鎖骨下動脈瘤を念頭に置くことが必要と考えられる. 末梢動脈瘤の中でも鎖骨下動脈瘤は, 2.8~3.8%と報告され1)2)まれな疾患とされる. 鎖骨下動脈瘤は放置した場合, 破裂, 塞栓症などの合併症を伴う頻度が高く, 大部分の症例が外科治療の対象とされるが, 動脈瘤の肺内破裂により喀血・血痰を来した例は極めてまれである. 今回, われわれは左鎖骨下動脈瘤の肺内破裂に起因する血痰を主訴とした症例に対し, 手術を施行し良好な結果を得たので, 若干の文献的考察を加えて報告する.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 鎖骨下動脈瘤, 肺内破裂
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