アブストラクト（40巻3号：日本胸部外科学会雑誌）
| Title ： | 左後腹膜腔に再発し後縦隔に進展した浸潤型胸腺腫の1手術例 |
|---|---|
| Subtitle ： | 症例 |
| Authors ： | 小久保光治, 野垣晴彦, 酒井聡, 飯田辰美, 広瀬一, 高見剛* |
| Authors（kana） ： | |
| Organization ： | 岐阜大学医学部第1外科, *岐阜大学医学部第2病理 |
| Journal ： | 日本胸部外科学会雑誌 |
| Volume ： | 40 |
| Number ： | 3 |
| Page ： | 451-455 |
| Year/Month ： | 1992 / 3 |
| Article ： | 報告 |
| Publisher ： | 日本胸部外科学会 |
| Abstract ： | 55歳, 男性. 浸潤型胸腺腫(正岡分類IVa期)にて平成元年3月14日, 胸腺腫・胸腺摘出術, 左上葉部分切除術, 胸膜部分切除術を施行した. 術後約2年後に左後腹膜腔に転移・再発し, 横隔膜脚部より大動脈裂孔を通り後縦隔に進展した巨大な腫瘍として発見された. 入院後, 新たに胸膜外腔に腫瘤陰影も呈した. 化学療法を2クール施行後腫瘍摘出術を施行した. 化学療法施行後, 後腹膜腔腫瘍は不変であったが, 胸膜外腔の腫瘤陰影は消失したので, 胸膜外腔腫瘍はリンパ管閉塞による胸膜外嚢腫と推察した. 本症例は再発部位が後腹膜腔と特異であり, また, 後縦隔にも進展していた. 巨大な胸腺腫再発腫瘍摘出術もまれであり報告する. 胸腺腫の再発・転移部位は肺, 肝, 胸膜, 心膜などであり, 後腹膜腔の再発・転移例はリンパ節転移の報告があるのみである. 今回われわれは左後腹膜腔に再発し大動脈裂孔を通り後縦隔に進展した巨大な浸潤型胸腺腫の1例を経験したので報告する. |
| Practice ： | 臨床医学：外科系 |
| Keywords ： | 浸潤型胸腺腫, 後腹膜腔転移, 後縦隔進展, リンパ管閉塞による胸膜外嚢腫 |
