アブストラクト（40巻3号：日本胸部外科学会雑誌）
| Title ： | 遅発性ヘパリン起因性血小板減少症の1例 |
|---|---|
| Subtitle ： | 症例 |
| Authors ： | 田畑隆文, 三木成仁, 楠原健嗣, 上田裕一, 大北裕, 松尾収二* |
| Authors（kana） ： | |
| Organization ： | 天理よろづ相談所病院心臓血管外科, *天理よろづ相談所病院臨床病理部 |
| Journal ： | 日本胸部外科学会雑誌 |
| Volume ： | 40 |
| Number ： | 3 |
| Page ： | 456-458 |
| Year/Month ： | 1992 / 3 |
| Article ： | 報告 |
| Publisher ： | 日本胸部外科学会 |
| Abstract ： | 冠動脈2枝バイパスを施行した64歳, 男性. 体外循環時に18,000単位, 更に術後5日目まで点滴ラインの確保のため極少量のヘパリンを連日用いた. 術後10日目, 血小板は1.3×10 4/μlと著明に減少, DICの病態を呈した. ヘパリン添加血小板凝集試験は陽性で, ヘパリン起因性血小板減少症と診断した. 血小板輸血, FOY療法により約1週間で軽快した. ヘパリン起因性血小板減少症はヘパリン使用開始後, 1週間前後に血小板減少と動脈血栓症で発症する重篤な合併症で, まれにDICを伴いしばしば致死的となる. 欧米ではヘパリン療法症例の3～5%に発生するとされているが, 本邦での報告は少ない. 今後本邦でも増加が予想され, かかる症例の存在に留意しておく必要がある. 特に本症にDICを合併した際にはヘパリンを使用しないよう注意が必要である. ヘパリン起因性血小板減少症(Heparin-induced thrombocytopenia HIT)はヘパリン療法中の3～5%に発生するといわれ, 欧米での報告は数多いが本邦での報告は極めて少ない1). |
| Practice ： | 臨床医学：外科系 |
| Keywords ： | ヘパリン, 血小板減少症, DIC |
