Title : |
心筋梗塞後心室中隔穿孔に対するフェルトを用いた心室中隔形成術の成績 |
Subtitle : |
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Authors : |
榊原哲夫, 渡辺真一郎, 正井崇史, 古谷保博, 児玉和久*, 中埜粛** |
Authors(kana) : |
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Organization : |
大阪警察病院心臓センター外科, *大阪警察病院心臓センター内科, **大阪大学医学部第1外科 |
Journal : |
日本胸部外科学会雑誌 |
Volume : |
40 |
Number : |
4 |
Page : |
543-548 |
Year/Month : |
1992 / 4 |
Article : |
原著 |
Publisher : |
日本胸部外科学会 |
Abstract : |
心筋梗塞急性期の心室中隔穿孔8例に対し, (1)IABPが必要になれば直ちに手術を行う, (2)梗塞心筋の切除は最小限にとどめる, (3)中隔形成にフェルトを用いるなど一定の治療方針のもとに外科治療を施行した. 手術は前壁側心室中隔形成を7例, 下壁側中隔形成を1例に行った. 左室切開創の縫合は7例で直接縫合, 下壁梗塞の1例はパッチにより左室壁の形成を行った. A-Cバイパス術は2例に同時施行した. その結果8例中7例を救命し, 手術生存率は88%であった. 術前ショックを呈した症例3例のうち2例(67%)を救命した. 術前腎機能不全, 敗血症を示した症例が3例存在したが早期の手術により救命し得た. 術前より多臓器不全を示した1症例は救命し得なかった. 梗塞発症後7日以内の早期手術例5例中4例(80%)を救命した. IABPは8例中5例(63%) において術後24時間以内に抜去可能であった. 術後心室中隔穿孔の残存や再発を認めた症例はなかった. 1例を術後2カ月目に胃癌の再発で失った. 残りの6例の追跡期間は平均27±16カ月であり, 活動能力はNYHA I度3例, II度2例で, 1例は術前から存在する脳梗塞のために, 車椅子の生活を強いられている. |
Practice : |
臨床医学:外科系 |
Keywords : |
心室中隔穿孔, 心筋梗塞, 中隔形成術, フェルト, IABP |